姿勢を変えるだけで楽に!重症心身障がい児の呼吸ケアの方法とは?

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呼吸のしやすさは姿勢によってぜんぜん違う

皆さんは呼吸をするときに姿勢を意識したことはあるでしょうか。

私たちは普段何も気にしないで呼吸をしていますが

実は姿勢によって呼吸の状態は大きく変わります。

そのため、呼吸状態が不安定な重症心身障がい児にとっては

普段の姿勢管理はとても大切です。

重症心身障がい児は一般的に仰向けの姿勢が多くなりがちですが

仰向けの姿勢は呼吸がしにくくなります。

一方で横向きやうつ伏せの姿勢のほうが呼吸は楽です。

ただ、呼吸がしやすい姿勢が分かっていても

重症心身障がい児にはさまざまな課題があります。

今回は、重症心身障がい児と呼吸ケアについて考えていきましょう!

なぜ、横向きやうつ伏せのほうが呼吸しやすいのか?

仰向けの姿勢は姿勢が安定するのでとても落ち着く姿勢です。

リラックスしたいときは仰向けになることが多いですよね。

重症心身障がい児も楽に過ごすことができるので

仰向けになっていることがほとんどではないでしょうか。

でも、仰向けは痰やだ液がたまりやすい姿勢

呼吸がしにくい姿勢でもあります。

そのため、呼吸ケアには向いていない姿勢です。

その点横向きやうつぶせは呼吸がしやすい姿勢です。

仰向けと違って

横向きやうつぶせは自然と痰やだ液が出ていきやすくなります。

呼吸ケアのためには

横向きやうつぶせがおすすめです。

なぜ重症心身障がい児は呼吸がしにくくなってしまうのか?

わたしたちは普段意識していませんが

姿勢によって呼吸の状態が変わるのは確かです。

重症心身障がい児も積極的に姿勢を変えていきたいですが

じゃあすぐに姿勢を変えましょう!というわけにはいきません。

まず、自分で姿勢を変えることが難しいので

介助によって姿勢管理をする必要があります。

ただ、横向きやうつ伏せの姿勢が良いと分かっていても

毎回介助により姿勢を変えることは大変ですよね。

それから呼吸が苦しくなっても

自分でせきなどによって痰をだすことが難しいことも問題です。

せきは呼吸を安定させるために重要な役割がありますが

せきをするだけの力がない子どもたちもいます。

症状はさまざまですがほとんどの重症心身障がい児が

自分で呼吸を安定させることが難しいということを覚えておきたいですね。

すぐに吸引をしないで子どもたちの様子を見よう

痰やだ液がたまると

子どもが苦しそうにしているのですぐに吸引したくなる気持ちはわかります。

でも、あまりにも吸引の回数が多いと

子どもが本来もっている呼吸機能が発揮できないかもしれません。

もちろん、呼吸状態が落ち着かないときは

吸引を優先するべきです。

ただ、吸引をする前に排痰しやすい姿勢にしたり

呼吸介助を行ったりなどの呼吸ケアがまず必要だと思います。

自分で呼吸ケアができるようにしていこう

呼吸状態が安定しているのかどうかは

観察しただけではなかなか分かりません。

血中酸素濃度を測れば

ある程度どんな状態か予想することはできますが

それでも呼吸の状態は分かりにくいことが多いです。

そのため、まずは自分で呼吸ケアができるようにしていくことが大事です。

ただ、自分で呼吸ケアをするといっても

全て子どもに任せるというわけではありません。

例えばせきをするだけでも

呼吸状態は安定しやすくなります。

また、からだを横向きにすることは難しくても

横向きの姿勢で過ごす時間が増えれば呼吸は楽になりやすいです。

うつぶせの姿勢でせきができることも大切です。

痰やだ液を出しやすくなるので呼吸が楽になりますよね。

このように少しのことでも

自分でできるようにしていくことが呼吸状態を安定させるためには大切です。

まとめ

重症心身障がい児は

姿勢によって呼吸状態が大きく変わります。

まずは、呼吸が楽になりやすい

横向きやうつぶせの姿勢を積極的にとるようにしていきましょう。

また、子どもたちが

自分で呼吸ケアができるようにしていくことも大切です。

わずかな変化でも子どもたちの自己効力感を高められますし

ご家族の育児の自信にもつながっていきます。

重症心身障がい児にとって呼吸の問題は大きいですが、

この記事が少しでも生活のヒントになれば幸いです。

☆「放課後等デイサービスMIRAI」では、座る·立つといった機能訓練はもちろん睡眠の質を高めるためのアプローチを行っています。

また、筋膜に直接アプローチすることで血液やリンパの循環を良くし、身体のバランスを整えるメディセル療法や、さまざまなボールを使用し判断力・空間把握能力を養うバルシューレにも取り組んでいます。

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