いつも私たちの記事を読んで頂きありがとうございます。
今回は在宅酸素療法について以下に着目してご紹介していきます。
- 在宅酸素療法ってどんなもの?
- どのような状態のときに使うの?
- 注意点は?
大まかに在宅酸素療法について知って頂ける内容になっています。
まだ、詳しく知らない方はこの記事を参考にして頂けると幸いです。
在宅酸素療法とは
まず、在宅酸素療法はHome Oxygen Therapy(略してHOT)ともいいます。
ふつうの空気よりも濃い酸素を吸うことを目的としています。
このHOTを行うのは肺や心臓の働きを助けるためです。
肺で酸素が取り込めなかったり、二酸化炭素を出せない状態。または心臓が全身に血液を回せない状態。
HOTはそのような状態でも病院から出て、お家で、家族みんなで暮らすことができます。
使用する必要が出る可能性のある小児疾患としてはこれらがあります。
- 肺の異形成
- 心不全
- 脳性麻痺
- 筋ジストロフィー
- 気管・咽頭軟化症
これらの病気が原因となって肺の働きが低下したり、身体に酸素が足りているのかどうかを正確に把握できなくってしまいます。
そのような状態になると息苦しさや睡眠不足がでます。
心臓や肺に負担のかかる運動やお風呂に制限が出てきてしまうわけですね。
また、心や身体の発達にも影響があります。
酸素供給装置は選べる3タイプ
酸素を吸うためには供給装置が必要になります。
近頃は技術の進歩で軽くなって持ち運びやすくなっていて嬉しいですね。
そんな酸素供給装置は大きく3タイプに分けられます。
(引用:https://toyamarutto.jp/column/1573/)
1.酸素濃縮器
主に家で使います。コンセントに繋いで酸素が濃い空気を出します。
酸素はふつうの空気中には20%ほどしかありません。
それがこの機械を使うと酸素の濃度が90%以上になります。
2.酸素ボンベ
お散歩や病院に行くときにはこのボンベを使います。
停電や酸素濃縮器が故障した時にも活躍します。
ボンベなのでコンパクトなタイプでも約2kgあります。
車椅子に取り付ける物やカート、リュックもあるので便利です。
また、家で使用している酸素濃縮器が故障したりして動かない時にも酸素ボンベを使います。
3.携帯用酸素濃縮器
ボンベだと酸素が切れてしまわないか心配になりますよね。
携帯用酸素濃縮器であればバッテリー式でより長持ちします。
他には液体酸素装置というものもあります。
メリット
HOTを行うメリットにはどのようなものがあるのでしょうか?
- 心臓や肺の負担が減る
- 入院回数を減らせる
- 集中力が上がる
- よく眠れるようになる
以上のようなことがあります。
酸素をうまく取り込むことが出来ないと身体には負担がかかります。特に肺と心臓です。
負担がかかったままだと更に違う病気になってしまう可能性もあります。また、持病が悪化してしまうことも考えられます。
それがHOTを行うことで防げるのです!
さらに、身体への負担は他にも出てきます。
酸素が少ないと脳の働きも鈍ってしまい、ボーっとするなど集中力が低下します。
脳が働かないと見たり、聞いたり、触れた経験があっても脳の中で処理しにくくなってしまいます。
酸素が少ないことは身体にも影響します。大事なエネルギーである酸素が少ないと疲れやすくなってしまいます。その疲れを取ろうにも回復するための機能が働きにくかったり、睡眠の質が低下してしまうので疲れが残りやすくなってしまいます。
HOTで取り込みづらい酸素をいっぱい吸えるようになると脳や身体への負担が減るわけですね。心も体も健康でいることができ、発達を促すことにもつながります。
そして、諦めていたお出かけをすることもできます。生活の幅がグッと広がる。そんなことも効果として期待できますね。
デメリットと注意点
しかし、デメリットや注意点もあります。
ここからはそれぞれのデメリットに対する方法も見ていきましょう。
デメリットは
- 酸素チューブが外れてしまう(接続部、鼻や口の部分)
- チューブが途中で折れて酸素が流れなくなる
- チューブを顔にテープで止めるとかぶれる
- 高炭酸ガス血症になってしまう
などがあります。
チューブが外れるかもしれない場所は3か所あります。
- 機械とチューブの接続部分
- チューブと延長チューブの接続部分
- チューブと鼻や口の部分
1.と2.に関しては定期的に外れていないか確認すると安全ですね。
3.に関しては寝ているときに顔が動いた拍子に外れてしまうことがあります。
テープでチューブを頬に止めたりして予防する事がおおいですね。
チューブが折れてしまったときは酸素濃縮器であればアラームで知らせる機能が付いていることが多いです。
ボンベなどを使うときは最初に酸素が流れているかの確認とお子さんの状態に変わりがないか気を配りましょう。
酸素が流れているか確認する方法は
- チューブから酸素がでる場所に手を当てる
- 反対の手でチューブを折り曲げる
- 折り曲げたチューブをパッと戻す
- チューブの先から酸素が流れているか確認する
このような手順で確認します。
チューブを顔に止めるとテープでかぶれることがあります。特に子供の皮膚は敏感なので注意が必要です。
肌への刺激が少なく、粘着力も程よいと評判のものはこちらです。
- ニチバンのカテリープラス
https://www.nichiban.co.jp/medical/dressing_material/cathereeplus_roll/
- 共和のエアフォールふ・わ・り
https://www.skinix.jp/products/airwallfuwari/
呼吸不全や濃い酸素を吸っていると、身体の酸素や二酸化炭素を見張っているセンサーの働きが鈍ってしまうことがあります。
二酸化炭素が多く溜まってしまう状態を高炭酸ガス血症といいます。
この状態になると症状としては頭痛・めまい・発汗・集中力の低下が出てきます。
さらに症状が重くなると意識を失い、昏睡状態になることもあります。
そうならないためには、いつもの二酸化炭素の状態を知っておく必要があります。
正常値としての基準はあります。しかし、徐々に呼吸障害が進む場合はその基準に当てはまりません。
酸素が少ない状態や二酸化炭素が多い状態に身体がなれていくのです。だから、正常値よりはずれていても問題が無いことがあります。
まとめ
以上が在宅酸素療法(HOT)の大まかな仕組みからメリット、デメリットになります。
振り返ると
- 在宅酸素療法ってどんなもの?
→酸素をボンベや機械から吸うこと。
- どのような状態のときに使うの?
→酸素を取り込んだり、全身に送るための肺や心臓の働きが弱いとき。
- 注意点は?
→チューブが抜けたり折れたりしていないか注意する。
というわけでザックリとお分かりいただけたでしょうか。
HOTをすることでお子さんの心や身体の発達を促すこともできます。
夜中に起きることなくグッスリ眠れることもあります。
そして体に合った運動をすることでさらに質の高い発達や睡眠が期待できます。
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