いつも私たちの記事を読んで頂きありがとうございます。
今回は嚥下(えんげ)障害について紹介させていただきます。
食事はコミュニケーションの1つ。食べる楽しみを感じながら人生を豊かにしていく場です。介助する方にとっては相手の苦痛や喜びを理解するための貴重な機会にもなります。
嚥下障害があると食べるものに制限が出てきます。
その制限とはいったいどんなものなのか、どうしてなのか?
そういったことを少しでも知ることが思いやる一歩になるでしょう。
この記事では
嚥下障害の原因は?
どのように対応したらよいのか?
などについて説明しています。
嚥下障害についてまだあまりわからない。そんな方は是非読んでいってください。
嚥下障害とは飲み込んだモノが気管に入り込むこと
嚥下(えんげ)障害とは飲み込む機能が低下している状態のことをいいます。
正常であれば、飲み込んだモノは食道から胃に入ります。
嚥下障害があると飲み込んだモノが誤って気管に入ってしまいます。
気管に入ったモノが肺に入り、誤嚥性肺炎を引き起こすことがあります。
嚥下障害が起きる原因はこちらです。
- 飲み込む機能の低下
- 姿勢の崩れ
- 介助の方法があっていない
- 食形態があっていない
- 呼吸障害がある
飲み込むときには気管に入らないようにフタが閉じる仕組みになっています。
そのフタを閉じて安全に飲み込める機能が必要とされていますが、筋力の低下や反射のタイミングのズレなどで気管に入ってしまうことがあります。
もし、飲み込みに関わる筋肉の力が大きな問題になるほどではなかったとしても、姿勢が崩れていると話は別です。
特に頭の位置が不安定な状態だと首周りには無意識に首を戻そうと力が入ってしまいます。また、食べ物が通るノドが狭くなったりします。すると、飲み込む機能がそこまで落ちていなくても姿勢が原因で飲み込みづらくなります。
介助の方法に関しては、使うスプーンなどの食器具や一口の量が重要になってきます。また、食べる順番や口元に運ぶペース・タイミングも関わってきます。
食形態は程よく形があり、簡単につぶせるものが理想です。注意しなければならないのは離乳食とは違う点です。離乳食は嚥下障害がある方にとってはバラけやすく、飲み込みにくいことがあります。
呼吸障害があると呼吸が飲み込むタイミングとかぶってしまう事があります。空気は気管を通り、食べ物は食道を通りますが、食べ物が空気と一緒に気管から肺に入ってしまうことがあります。
また、食べ物が口の中にあると口呼吸ができなくて息苦しくなる場合があります。そんなときには呼吸が落ち着くのを見て、食べるペースを調整することが重要になります。
食事姿勢は安定が大事!
嚥下障害があるときには姿勢が重要になります。姿勢が崩れているとリラックスできないので首周りの筋肉が緊張し飲み込みに影響したり、呼吸がしづらくなります。
したがって、頭の安定は特に重要になります。
食事介助をする際の姿勢には大きく2つあり、座って食べるか・寝て食べるかに分けられます。それぞれ飲み込む力や姿勢を保つ力などを考慮して選択されます。
姿勢による特徴はこちらです。
座って食べるとき
- 口元に運びやすい
- 食べ物を見てもらいやすい
- 噛みやすい
寝て食べるとき
- 頭や身体が安定している
- 飲み込むのを重力が手助けしてくれる
誤嚥していないかな?確認するポイント3つ
嚥下障害があるときには誤嚥に注意する必要があります。
誤嚥は飲み込んだモノが気管に入ることです。そのまま肺に入ると誤嚥性肺炎になる恐れもあります。食事中のむせ込みには注目しましょう。
しかし、むせ込んでいないからと言って誤嚥していないとは言い切れません。重度心身障がい児にはせき込む反射が出にくい方もいるので、誤嚥してもむせないことがあります。
そこで誤嚥していないか確認するには以下のポイントを参考にしてください。
- むせる
- 顔色が悪い
- ノドからゼロゼロ、ヒューヒュー音がする
もしこのような特徴が出ていたら背中をたたいたり吸引するなどの対応をしましょう。
まとめ
嚥下(えんげ)障害とは
- 飲み込む機能の障害のこと
- 食道から胃に入るべきモノが気管に入ること
原因は
- 飲み込む機能の低下
- 姿勢の崩れ
- 介助の方法があっていない
- 食形態があっていない
- 呼吸障害がある
食べやすい姿勢とは
- 頭が安定しいる
- 呼吸がしやすい
- 全身がリラックスできている
誤嚥していないか確認するポイント
- むせる
- 顔色が悪い
- ゼロゼロ、ヒューヒューとノド元から音がする
食事は私たち人間が生きていくために重要な栄養をとることです。
また、コミュニケーションの場でもあります。
障がいがあることでお互いに共感しづらいことはありませんか?
全部を理解することは難しいですが、何が喜びにつながり、何が苦痛につながるのか。その一部を食事という場面から分かり合えるのではないでしょうか。
ただ栄養をとるための食事という視点から、食卓を囲んだみんなが食を楽しんで成長していく機会という視点も持っていただけると嬉しいです。
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