はじめに
障がいを抱える子どもたちとの関わりは、子どもたちの成長だけではなく障がいとも向き合っていかなければなりません。
そのため、子どもたち本人はもちろんその周囲のサポートする全ての人たちが、それぞれ子どもたちのために何ができるのか考えることが重要です。
しかし、複雑な症状と子どもたち特有の成長という課題が、障がいを抱える子どもたちの療育を難しいものにしてしまいます。
そんな障がいを抱える子どもたちの療育のキーワードとして、「F-Words」というキーワードがあります。
今回は、療育を考える上で重要なキーワードであるF-Wordsについて簡単に紹介していきたいと思います。
F-Wordsとは何か?
F-Wordsとは、Rosenbaum博士とGorter博士によって考えられた障がいを抱える子どもたちの療育を考える上で最も重要となるキーワードのことです。
F-Wordsには6つのキーワードがあり、それぞれのキーワードに重要な意味が込められています。
- Function(機能)
- Family(家族)
- Fitness(健康)
- Fun(楽しみ)
- Friends(友達)
- Future(未来)
療育に関わる全ての人たちにとってヒントとなる内容となっており、F-Wordsを通して答えを導き出すことが可能になると思います。
正式な内容に関しては原著を確認していただくことが必要ですが、今回は私自身のF-Wordsの見解を紹介させていただきます。
あくまで個人の見解ですので、参照程度にしていただくと幸いです。
F-Words:①Function(機能)とは?
子どもたちにとってのFunction(機能)とは何でしょうか?
Functionとは仕事・役割という意味もあり、子どもたちにとっての優先事項を表現しています。
では、子どもたちが優先していることは何であり、実際にどんな活動をしているでしょうか。
子どもたちは、真っ先に「遊び」を行います。
遊ぶことで様々な活動を行い、身体を動かし友達や家族とコミュニケーションをとります。
つまり、子どもにとっての「仕事」とは遊ぶことです。
生まれたときから子どもたちは好奇心を持って動こうとします。
好奇心を持って遊ぶことで、Function(機能)が発達していくということですね。
身体に障がいがあるからといって必ずしも私たちと同じように成長していく必要はないのです。
これまでは障がいを完全に克服することは難しく、障がいは「異常」な活動と考えられてきました。
それでは障がいがあると、全ての活動が「異常」なのでしょうか。
障がいがありたとえ「正常」な動きではなくても、それは本人が自分で動こうとした大事な動きです。
もはや「正常」と「異常」という区別した考え方は、子どもたちの長所を引き出すことにつながらないのです。
正しい方法や質は重要ではありません。
子どもたちは本来好奇心旺盛で、まず動き始めることで学習・発達していきます。
正常を目標にするあまり、経験を奪うリスクがあることを理解することが大切です。
やればできるという能力に注目するのではなく、今行っている能力に注目して子どもたちと関わっていくようにしていきましょう。
F-Words:②Family(家族)とは?
子どもにとって安心できる環境とは何でしょうか?
それは学校であったり、施設であったり、家庭であると思います。
Family(家族・家庭)は、全ての子どもにとって安心して過ごせる環境でなくてはなりません。
ただ、障がいをもった子どもが家族にいることは、場合によっては家族が社会参加を制限されてしまう場合もあります。
そのため、療育は家族を中心にした支援体制を目指すことが大切です。
家族を中心にした療育とは、子どもに関わる全てのサービス提供者が一つの目標をもつということです。
子どもの変化だけではなく、家族全体の変化を促していく。
子どものやりたいことだけじゃなく、家族の意思を尊重することが結果として子どもの意欲を引き出すことができます。
障がいとは子どもだけの障がいではなく、家族全体の障がいなのです。
まとめ
今回はF-wordsのFunction(機能)とFamily(家族)について紹介しました。
障がいをもった子どもたちを育てることは、負担が大きく大変なことです。
今回紹介したポイントが少しでも役に立てれば幸いです。
※次回は、第二弾としてFitness(健康)とFun(楽しみ)について紹介していきたいと思います。
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