GMFCSとは?脳性まひの重症度分類とその活用法について

はじめに

脳性まひには様々な症状があり、個人によっても複雑に症状が見られる疾患です。

そのため、日常生活においてもご家族を始めとしてどのように関わっていけばよいのか難しい疾患です。

また、一昔前まではその症状の多様さ・複雑さから脳性まひを分類することは難しいと考えられていました。

しかし、近年は粗大運動能力分類システム(GMFCS)という評価法によって詳しく分類ができるようになってきています。

今回は、そんな脳性まひの重症度を分類するGMFCSについて活用法を交えながら紹介していきたいと思います。

粗大運動能力分類システム(GMFCS)とは?

GMFCSはGross Motor Function Classification Systemの略で、脳性まひの重症度を分類する評価法のことです。

1997 年にPalisano らによって開発された12歳までのCP 児の粗大運動を分類するシステムで、現在は18歳まで分類することができるようになっています。

寝返り・座る・立つ・歩く・走るなどの基本的な全身運動の能力と、必要な介助の方法と使用する移動補助具(杖や車いすなど)の違いによって5つのレベルに分類されます。

また、年齢により以下のように区分があります。

GMFCSの特徴として、脳性まひの方をそれぞれの重症度に分類して判別することができるという特徴があります。

以前は日本語訳がありませんでしたが、2009年からインターネット上で日本語版がダウンロードできるようになりました。

分類はレベルⅠ~Ⅴに分かれており、レベルⅠが最も身体的に軽度でレベルⅤになるにつれて徐々に重症度が上がります。

次にそれぞれのレベルの内容について紹介します。

GMFCSレベルⅠ

レベルⅠの概要は、「制限なしに歩く」です。

つまり、ほとんどの移動時において何も使用しないでも歩くことができる場合はこのレベルに該当します。

また、走ったりジャンプをしたりといった応用活動も行うことができ、階段も手すりを使用しなくても昇り降りすることが可能です。

ただ、レベルⅠは歩行ができるとはいえ、日常的に杖や歩行器を使用しないでも移動ができる場合に限られます。

レベルⅠに該当しやすい脳性まひのタイプは、主に痙直型片麻痺や失調型の脳性まひの方です。

GMFCSレベルⅡ

レベルⅡの概要は、「制限を伴って歩く」です。

レベルⅡの脳性まひの方も実用的に歩行を行いますが、レベルⅠと違い歩行補助具(杖・歩行器など)を使用する場合があります。

また、階段昇降も自立していますが手すりを使用しないと階段を昇り降りすることができません。

砂利道やアップダウンが激しい道などのバランスを要する場面では移動を行うことが困難な場合も含まれます。

レベルⅡに該当しやすい脳性まひのタイプは、身体的に軽度な痙直型両麻痺の方や失調型の方が多いです。

また、場合によっては麻痺症状が強く見られる痙直型片麻痺の方が該当する場合もあります。

GMFCSレベルⅢ

レベルⅢの概要は、「手に持つ移動器具にて歩く」です。

レベルⅡと判別が難しいですが、レベルⅢの方は実用的な歩行を行うことは困難です。

ただ、全く歩行ができないというわけではなく、歩行補助具を用いて屋内などの限られたスペースなどで移動を行うことはできます。

屋外の移動時など長距離の移動になると、車椅子を使用しなければ移動を行うことはできません。

レベルⅢに該当しやすい脳性まひのタイプは、痙直型両麻痺や症状が軽度なヒョレオアテトーティック型四肢麻痺の方が該当します。

GMFCSレベルⅣ

レベルⅣの概要は、「制限を伴って歩く」です。

レベルⅣになると、ほとんどの方が移動時に身体的な介助や電動車椅子といった補助が必要になってきます。

移動ができないわけではありませんが、歩行には体幹を支える機能がついた歩行器(SRC-ウォーカーなど)が必要になります。

また、車椅子での屋外移動も困難になりやすく、長距離の移動時は介助(移送)されることが多くなります。

座位(椅子に座るなど)の機能も自立して行うことが困難で、様々な場面で介助が必要になってきます。

レベルⅣに該当しやすい脳性まひのタイプは、ヒョレオアテトーティック型及びディストニック型四肢麻痺、痙直型四肢麻痺の方が該当します。

GMFCSレベルⅤ

レベルⅤの概要は、「手動車椅子で移送される」です。

自発的に移動を行うことはほとんどの場合が困難で、座位を保つためには座位保持装置などの補助が必要になります。

移動時は、座位保持機能付きのバギーや車椅子を使用して移送されます。

また、座位を保持することが難しいので頭を空間で保持したり、体幹を支えたりすることが極端に制限されます。

レベルⅤに該当しやすい脳性まひのタイプは、痙直型四肢麻痺やディストニック型四肢麻痺の方が該当します。

いわゆる重症心身障がい児の方は、レベルⅤに該当しやすいです。

GMFCSは日常生活にどのようにして活用できるのか

GMFCSは、ただ単に脳性まひの重症度を判定するだけの評価法ではありません。

実は重症度を分類することによって、その後どのように発達していくのかある程度予測することができます。

また、基本的には一度分類されたレベルはそのまま成長しても変わることはありません。

例えば、幼児期にGMFCSレベルⅢに分類されれば、高校生になってもレベルⅢのままということですね。

レベルが変化しないということは、年齢別のレベル分類の内容を確認すればある程度どのように発達していくのか分かるということです。

どのように成長していくのか分かっていれば、本人をどのように支援していけばよいのかご家族も理解しやすくなります。

脳性まひの症状は多様で複雑ですが、ある程度身体の状況が予測できればそれだけで安心して生活をすることができますよね。

まとめ

GMFCSは、脳性まひの重症度を分類しその発達の過程を予測することができる便利な評価法です。

身体の変化を予測することができれば日常生活に反映させやすくなるので、ご家族にとっても利点が多いと思います。

この機会にぜひGMFCSを理解して、生活に役立てていきましょう!

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