いつも私たちの記事を読んで頂きありがとうございます。
今回はNPPVについてご紹介していきます。
NPPV療法とはマスクなどを付けて、機械で空気を送ることで呼吸を助けることです。
特徴は人工呼吸療法のなかでも気管切開をしない点です。
最近では呼吸療法のなかでもNPPVは主流になっています。この呼吸療法で学校や施設に行ける方も多いです。
この記事ではNPPVの
- メリット
- デメリット
- 適応
などを紹介しています。
みなさん、このような疑問はありませんか?
「NPPVってどんなもの?」
「在宅酸素療法(HOT)とは違うの?」
「どんな効果があるの?」
そのような方にとって参考になる内容になっています。
ぜひ最後まで読んでください。
目次
- ケアがしやすく、負担が少ない
- 必要になる可能性のある疾患
- 呼吸を補助するメリット
- デメリットは4つ
- まとめ
ケアしやすく、負担がすくない
NPPVはこのイラストのようなマスクなどを顔に装着して使います。
マスクにはホースが繋がっていて、その先には空気を送り込む機械があります。
マスクを装着して空気を送り込むので、気管切開をしないのが特徴です。NPPV療法でも呼吸状態が良くならない時には気管切開を検討します。
在宅酸素療法(HOT)と似ているようですが何が違うのでしょうか。
- HOTは酸素を送り息苦しさを和らげる
- NPPVは空気を送り呼吸を補助する
NPPVは酸素を送り込んでも息苦しさが取れない時に検討されることがあります。それは問題が呼吸の浅さにあるからです。呼吸が浅いと沢山の酸素を送っても、肺の奥にある酸素と二酸化炭素を交換するところの空気が入れ替わりません。すると、いくら酸素を送っても息苦しさが良くなりません。
そんな時にNPPV療法をすると空気を送り込んでくれるため、深い呼吸が出来るようになって息苦しさが和らぎます。
必要になる可能性のある疾患
呼吸が浅くて酸素を送っても息苦しいなどの症状があるときにNPPVが必要になります。
そのような症状が現れる可能性がある疾患(一部)はこちらです。
- 筋ジストロフィー
- 先天性ミオパチー
- 重症筋無力症
- ギランバレー症候群
- 睡眠時無呼吸症候群
逆にNPPVを使うことができない場合もあります。
- 十分な咳を出せない
- 慢性的な誤嚥がある
- 痰などの量が多い
- マスクがフィットしない
空気が口から肺に送り込まれるので、唾液や痰などが肺に押し戻される力が働きます。それを自分の力で出せない場合は危険が伴ってしまいます。唾液や痰が肺に入ると、肺炎や無気肺といった症状を引き起こす可能性があるので注意が必要です。
呼吸を補助するメリット
機械が呼吸を補助してくれることには様々なメリットがあります。
- 気管切開をしなくてすむ可能性がある
- 話せる
- ケアがしやすい
- 肺炎予防ができる
- 鎮静剤が少なくて済む
- 睡眠の質が向上する
- 生活の活動範囲が広がる
NPPVには鼻マスクがあるので、装着したまま話ができます。呼吸の問題が解決されれば気管切開をすることが避けられるので、ご家族の方でもケアがしやすいです。
寝ていても途中で起きてしまうために鎮静剤を使っている方はいませんか。
鎮静剤を使うことのメリットはありますが、副作用がでる可能性があります。熟睡できない原因が呼吸にあるときはNPPVを使うことで薬が少なくなることや不要になることがあります。
寝ているときは呼吸障害の症状が強く出ることが多いです。それは呼吸をするために使っていた筋肉に力が入りづらくなってしまうからです。すると寝ている間、喉の空気の通り道が狭くなったり、胸が膨らみづらくなってしまうので空気を取り込みづらくなります。
寝ている間も息苦しさが続くと、身体が休まらないので疲労が取れませんよね。
疲れがたまって、寝不足な状態で日中を過ごしていると疲れやすいだけでなく、肺炎の危険もでてきます。すると自然と外出の頻度が減り、遠出することも避けるようになります。
このような状態を変えるために、NPPVを寝るときにだけ使用する方も多いです。それは肺炎の予防になり、生活の範囲を広げるのに効果的です。
デメリットは4つ
医療的ケアの中でも介護者の負担がすくない方法ですが、デメリットもあります。
- 本人の抵抗があるときは使えない
- 慢性的に誤嚥している方は使えない
- 嘔吐や気分不快が起きることがある
- 故障や災害に備える必要がある
マスクを装着する事に抵抗があると、ズレて空気が漏れてしまうので正しく使えません。
唾液などで慢性的に誤嚥している方が使用すると誤嚥を助長させてしまいます。理由は咳をするセンサーが鈍かったり、咳が弱いために気管に唾液などが入っても自力で出すことができないからです。そんな状態でNPPVを付けると唾液などを気管に押し込んでしまう恐れが出てきてしまいます。
嘔吐や気分不快は空気が胃に入ってしまう事で起きることがあります。原因は気道が確保できていないことなどがあります。このような時には気道が確保できるように寝る姿勢を工夫したり、ネックカラーを巻くことで対応します。
機械が止まってしまった時のことを考えて故障や災害に備える必要があります。何が必要になるかは担当の医師と相談して準備しましょう。よく必要になるのは手動式人工呼吸器や予備電源などです。
まとめ
以上がNPPVについてでした。
NPPVとは肺に空気を送り込むための機械です。
この機械を使うことの効果はこちらでした。
- 気管切開をしなくてすむ可能性がある
- 話せる
- ケアがしやすい
- 肺炎予防ができる
- 鎮静剤が少なくて済む
- 睡眠の質が向上する
- 生活の活動範囲が広がる
それに対してデメリットや注意点はこちらでした。
- 本人の抵抗があるときは使えない
- 慢性的に誤嚥している方は使えない
- 嘔吐や気分不快が起きることがある
- 故障や災害に備える必要がある
正しく使用することで、安心して健康な生活が送れるように活用していきましょう。
よく眠れて疲労がたまりにくくなると、外出の頻度が増やせたり少し遠出が出来るようになるでしょう。また、心身の発達を促すこともあります。
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