「レクリエーション」
…と聞くと、どんなものが思いつくでしょうか?
スポーツやアウトドアなどの屋外での活動、
音楽や芸術、演劇、ダンスなどのゲーム感覚でできるもの、
アクティビティのような活動が多いでしょうか?
レクリエーションにはいろんな活動がありますが、重度な障がいを持つお子さんは、身体を大きく動かす活動は難しく、また言葉での反応や行動などの表出による反応がみられにくいため、
「どんな活動をしたらいいんだろう?」
「どうやったら楽しめるかな?」
「実際やるとなると大変そうだな…」
と思う方も多いと思います。
ですが、
レクリエーションはリハビリテーションの一つとしても、療育としても、
全ての人にとって必要なものであり、人間性を高める上で効果が得られるとされています!
そこで今回は重度心身障がいのあるお子さんでも、
おうちで楽しめる”レクリエーション”をご紹介します!
そもそもレクリエーションって…
レクリエーションとは、
「すべての人が”拘束されている”という枠から離脱した自由な形で楽しめるもの」
を言います。
歌やゲームなどのように遊びかたが決まっているものだけでなく、
単なる遊びや創造的な活動まで幅広い余暇活動をさしていると言えます。
普段の生活の中では、どうしても食事や睡眠、排泄、入浴などの基本的なことに重点をおいてしまいがちですが、
精神的な豊かさや満足度も含めて生活を”質的”にとらえる、
「QOL(Quolity of Life)」も生きていく上では大切です!
レクリエーションによる効果
重度心身障がい児・者は身体の筋緊張が高まることにより、
身体の動きが固くなってしまったり、外からの刺激を感じにくくなりやすいという特徴があります。
そのため、レクリエーションを通してこわばった身体を”リラックス”させることがとても重要です!
スキンシップをとりながら楽しい時間を過ごすことや、
他者とのコミュニケーションを深めて関係性を作ることで、
社会性の発達にもつながるとされています。
また、色々な活動や新しい体験を通して、
その子にとっての生きていく世界観を広げることもできます!
おうちでもできるレクリエーション!
ここからは、おうちでも家族や兄弟と一緒にできる簡単なレクリエーションを紹介していきます!
①音楽
音楽はノンバーバルコミュニケーションの手段としても活用できます。
そのため、音楽を通してコミュニケーション能力の向上も期待できます。
わずかにでも動かせる部分に鈴を巻いたり、
バチを握り音楽に合わせて自分の力で動かすことができると、
音楽をもっと楽しむことができるかもしれません。
実際に行う時には、大きな音で発作などを誘発させないように配慮が必要です。
②スヌーズレン
スヌーズレンは、暗い部屋の中でミラーボールなどをつけたり、アロマを焚いたり、静かな音楽を流したりすることでリラックスを促す活動です。
リラックスすることで周囲の刺激に気づきやすくなり、周囲の探索がしやすくなるので、
視覚・聴覚・嗅覚・触覚などの外界から様々な感覚を感じる事を促すことができます。
③ボディパーカッション
ボディパーカッションは、体に触れながらリズムを刻み、
その重なりで音を奏でることを言います。
音楽と同様に、ノンバーバルコミュニケーションとしての役割を持ちます。
腕や肩、お腹などをさすったり、叩いたり、
体の部位によって変化する音を楽しんでみてください。
また、人数を増やしていろんな音を出してみたり、
テンポを変えてみたり、色々な工夫が加えるのもおもしろいですね!
④手浴・足浴
手や足などを部分的に浸けることで、
からだを清潔にするだけでなく、疲れを和らげたり、全身の血行をよくしたりすると言われています。
全身浴に比べると心臓や体力への負担も少なく、
リラックス効果や安眠効果も得られると言われています。
⑤”ゆらし”刺激
赤ちゃんを泣き止ませる時にはゆらすことが他の刺激に比べて有効であるとされています。
これは、ゆらし刺激で感じる平衡感覚の刺激が、胎児期からとてもよく発達しているためであると言われています。
また、ゆらすことによって、名前を呼んだ時に「ふりむく」「微笑む」「声を発する」などの反応が増えるとも言われています!
自発的な意思表出が難しいお子さんには、コミュニケーションをとる上でも効果があるかもしれませんね。
まとめ
今回は、重度な障がいのあるお子さんでも自宅でできるレクリエーションを紹介しました!
療育施設などで他のお友達と一緒に楽しむのも良いですし、
おうちで簡単に準備できるものはぜひご家族・ご兄弟と試してみてください!
きっとお子さんだけでなくみんなが楽しめる時間になると思います。
レクリエーションを通して日々の生活が少しでも豊かになりますように♪