重症心身障がい児にとって側弯とは?
重症心身障がい児の大きな課題に
背骨が変形してしまう「側弯」の問題があります。
側弯とはその名前の通り
背骨が左右どちらかの方向に変形してしまう状態のことです。
ただ、「側弯がどうして問題なのか」
「側弯があることでからだにどんな影響があるのか」
といったようにわからないことも多いと思います。
今回は、重症心身障がい児の側弯について考えていきたいと思います。
なぜ、重症心身障がい児は側弯が進みやすいのか
脳性まひを始めとした重症心身障がい児の子どもたちは
側弯が発生し、その症状が進行しやすいと言われています。
でも、どうして重症心身障がい児の子どもたちは
側弯が出てきてしまうのでしょうか?
実は側弯の原因にはさまざまな原因があります。
まず大きな原因の一つが筋力低下することで
姿勢を保つことができないという問題があります。
例えば、座ったときに体重を支えられなければ
からだが曲がってしまいますよね。
このように体重を支えられるほどの筋力がなく
曲がった姿勢が続けば側弯は出てきてしまいます。
その他の原因に
筋肉の緊張が高いことで背骨を支える筋肉がうまく働きにくい
という問題があります。
これは特に重症心身障がい児の子どもたちに多いです。
例えば、あおむけの姿勢で背骨の周りの筋肉ばっかり働いていると
反り返ったような姿勢になってしまいます。
さらに左右の筋肉が別々の動きをしていれば
ひねりながら反り返ってしまいます。
こんな状態が長くつづくと
側弯が出てきてしまうというわけですね。
側弯が進んでしまうと重症心身障がい児のからだにどんな影響があるのか
側弯があると
なんとなくからだに良くないのかなあと思われるのではないでしょうか。
確かに、側弯があることでからだにどんな影響があるのか
ご家族としては心配になると思います。
ただ、側弯はすぐにからだに悪い影響が見られ始めるわけではありません。
何年もかけて側弯の状態が進むことで
からだにさまざまな影響が見られるようになってきます。
例えば、内臓が圧迫されることで呼吸状態が悪化したり
いつもの姿勢が崩れて座ることが難しくなったりといった影響があります。
これだけは知っておきたい!重症心身障がい児の側弯治療の考え方とは?
側弯を予防するためには
これまでさまざまな治療法が考えられてきました。
しかし、完全に側弯を予防することは
現在でもこれといった治療法がありません。
治療法には
手術をしたり、からだにつける装具を着用したり
あるいは筋肉の緊張をやわらげる注射をしたりなど
さまざまな治療法があります。
側弯の進み方は子どもによって違いますが、大事なことは
いろいろな治療法の中からこどもにあった治療法を選択することです。
それは子どもの年齢も頭に入れておく必要があります。
例えば
成長期が終わってから側弯の手術をすると
側弯の状態は良くなっても今までできていたことができなくなるリスクもあります。
からだの状態が急に変わることで
子どもにとってはどうからだを支えればよいのか混乱してしまう場合もあるわけです。
子どもたちにとって何を優先しなければならないのか
しっかり考えてから治療法を選択していきたいですね!
重症心身障がい児にとっての側弯とは?~3つの大切な考え方~
・できるだけ早い時期から子どもの側弯について共有する
・側弯をできるだけ予防することは子どもの生活の質を高める
・側弯を予防することばかりにとらわれず、子どもにとって何が必要かを考える
側弯は重症心身障がい児にとって
呼吸状態が悪くなったり、座ることが難しくなったりなど
大きな問題になってきています。
現在のところ側弯を完全に予防することは難しいですが
手術後にリハビリを集中的に行ったり、からだに装具をつけたりなど
さまざまな治療法がでてきています。
このように、側弯は確かに予防していかなくてはならない問題です。
しかし、それよりも大事なことは
子どもにとって何が必要なのかと考えることではないでしょうか。
側弯の正しい知識を理解して
子どもたちと向き合っていきたいですね!
☆「放課後等デイサービスMIRAI」では、座る·立つといった機能訓練はもちろん睡眠の質を高めるためのアプローチを行っています。
また、筋膜に直接アプローチすることで血液やリンパの循環を良くし、身体のバランスを整えるメディセル療法や、さまざまなボールを使用し判断力・空間把握能力を養うバルシューレにも取り組んでいます。
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