重症心身障がい児にとって「立つ」ことは大切
「立つ」とは人にとってどんな意味があるのでしょうか?
私たち健常者は
立つことで歩いて移動することができたり
重い荷物を運ぶことができたりします。
つまり、健常者にとっては
生活するために立つことは欠かせない機能ということです。
では、重症心身障がい児の子どもたちにとって
立つことはどんな意味があるのでしょうか。
重症心身障がい児の子どもたちは
ほとんどの場合自分で立つことは難しいです。
そのため、立つことはあまり意味がないのではないかと思われるかもしれません。
でも、重症心身障がい児であっても
からだの発達のために必要な姿勢です。
じゃあ立つとどういったメリットがあるのか、気になりますよね。
今回は、重症心身障がい児にとっての「立つ」
ということについて考えていきたいと思います。
重症心身障がい児は立つことでどんなメリットがあるのか?
人のからだは本来立つことを考えたつくりになっています。
そのため、座った状態で過ごすより
立った状態で過ごすほうがからだに良い影響があるのです。
例えば、座るときより立ったときのほうが腰への負担は約40%減ります。
ということは重症心身障がい児も立てば
からだの負担を減らすことができますよね。
移動のときも立つほうが便利です。
ここで四足歩行の動物を思い出してみてください。
例えばライオンは荷物を運ぶときに
口でくわえたり背中に乗せたりして運びます。
では人はどうやって荷物を運ぶでしょうか。
手に持って足で歩くことで荷物を運びますよね。
このように立てば手を自由に使うことができるようになるのです。
重症心身障がい児も立てば
手を使ってさまざまなことにチャレンジできます。
重症心身障がい児は「立つ」目的を考えよう!
からだの運動機能が発達していくためには
月齢の発達にそって練習することが大切です。
例えば、立てるようになるのは生後8~10ヶ月ごろからです。
このぐらいの時期からは立つ練習を始めるほうが
子どもたちの発達のために有効だと思います。
でも、だからといって立つ練習ばかりしていたり
とりあえず立たせたりすればよいというわけではありません。
立つために必要な発達の順番を考えることが大切です。
例えば、お腹周りがしっかりしていなければ
立ったとしてもいつまでもフラフラとしてしまいます。
こういったときは
お腹周りの活動を促す練習をしながら立つ練習も同時に行わなければなりません。
しっかりとした姿勢で立つためには
立つまでに必要な発達の順番を考えましょう。
子どもが小さいときは
立つ練習をすることで将来のためのからだづくりになります。
でも、学生の時期や
大人になったときは立つ目的が変わってきます。
学生の時期であれば、立つことで生活に役立つ動作を練習しますし
大人の時期は、からだの機能を維持するために立つ練習をします。
このようにその時期の目的を
しっかり考えながら立つ練習をすることが大事です。
重症心身障がい児は立つ機会がないとどうなる?
重症心身障がい児にとって
立つことはかなり負担がかかる難しい姿勢です。
そのため、立つことが
あまりにもリスクがある場合は無理に立ってもらう必要はないです。
でも、立たないことによるデメリットもけっこうあります。
例えば、車いすに座っていることが長くつづくと
座ったままの姿勢で関節が固まってしまうこともあります。
関節は一度固まると
なかなか元にもどすことは難しいです。
座ったままの状態が長くつづくと
場合によっては痛みがでてしまうことも・・・
これだけは知っておこう!重症心身障がい児が立つときに必要な3つのポイント
・なぜ立つ必要があるのかしっかり目的を考える
・とりあえず立つという動作が目的になってはいけない
・立つこと、立たないことのメリット、デメリットを理解する
重症心身障がい児の多くは
自分で立つことは難しいです。
そのため、立つ練習をするときは
立つことでどのような目的があるのかを考えなくてはなりません。
リハビリだから、いつもやっていることだから
といって立つ練習をすると、とりあえず立つことが目的になってしまいます。
立つことにも立たないことにも
それぞれメリット・デメリットがあります。
立って生活することが当たり前ではない重症心身障がい児だからこそ
「立つ」目的をしっかり考えていきましょう!
☆「放課後等デイサービスMIRAI」では、座る・立つといった機能訓練はもちろん睡眠の質を高めるためのアプローチを行っています。
また、筋膜に直接アプローチすることで血液やリンパの循環を良くし、身体のバランスを整えるメディセル療法や、さまざまなボールを使用し判断力・空間把握能力を養うバルシューレにも取り組んでいます。
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