いつも私たちの記事を読んで頂き
ありがとうございます。
吸引が必要かもしれないけれど
どんな方法や注意が必要なのか
よくわからない。
日頃から吸引をしているけれど
たまに出血や嘔吐があって
どうしたらいいのか…
このような疑問を解決する
5つのポイントがこちら。
- 必要な状況とは
- 身体にあったチューブ選び
- チューブを入れる方向と長さ
- 適切な吸引圧
- 吸引するタイミング
この記事ではこれらについて
詳しく解説していきます。
これを参考にして正しいケアを行い、
家族みんなが快適に過ごすために
役立てて頂けると嬉しいです。
それではよろしくお願いします!
目次
- 吸引はあくまでも痰をとる1つの方法
- 注意点
- 血が出てしまう
- 吸引の刺激で吐いてしまう
- かえって呼吸困難になってしまう
- まとめ
吸引はあくまでも痰をとる1つの方法!
どんなときに吸引はするのでしょうか?
それは吸引しないで済む方法を
しっかり行っても痰などが出ないときです。
では吸引をしないで済む方法とは
どんなものがあるのでしょうか?
痰などへの対応方法
- 痰を出しやすい姿勢をとる
- 痰が柔らかく切れやすい状態にする
- 水分をとる
- 部屋を加湿する
- 吸入器をしようする
- クスリを飲む
- 身体を動かす
- 呼吸を介助する
以上のようなやり方があります。
基本的にこのような対応をして、
それでも痰などが残るときに
吸引をします。
そうすることで
- 吸引をしなくてすむ
- 痰が柔らかくなって吸引しやすくなる
- 吸引チューブが届かないところにある痰があがってくる
などのメリットがあります。
したがって、痰がからむからと言って
すぐに吸引はしません。
しかし、適切に行うことで
呼吸がラクになると
良いことが沢山あります。
メリット
- よく眠れる
- 運動しても疲れにくくなる
- イライラしなくなる
- 集中力が持続する
ある養護学校では
痰が溜まってくると授業に
集中できない児童がいました。
その児童の表情などから
吸引のサインを教員がくみ取り、
吸引を行います。
このようにして吸引を行うことで
授業に集中して参加できるようになります。
また、吸引のサインを出すなどの
練習にもなっています。
以上のように吸引は
痰を取る1つの方法で、
それによってお子さんの
健康や発達を促すことができるのです。
注意点
吸引には様々なメリットがあります。
しかし、吸引も医療的ケアのひとつです。
つまり正しく行わないと危険が
伴ってくると言うことです。
ではどのような事に注意するのか?
また、どうやって対応すればいいのか?
ここからはそれを紹介していきます。
血が出てしまう
鼻や喉の奥、気管は
柔らかい粘膜で覆われています。
それらの粘膜は吸引の刺激で
出血することがあります。
そんな時には以下の点に注意しましょう。
- 吸引圧を高くしない
- ゆっくりと圧をかける
- 無理に押さない
- 先の丸いチューブを使う
吸引するときの吸い込む圧が
強いと出血してしまいます。
なので、圧は15~20kpaにしましょう。
また、急に圧をかけてしまうことで
出血することもあります。
吸引チューブを入れる時は、
チューブの接続部分を折り曲げ
吸引圧がかからないように
する方法があります。
それを解除するときにゆっくり行わないと
粘膜を傷つけてしまうかもしれません。
吸引の刺激で吐いてしまう
吸引チューブの通り道には
「オエッ」とさせてしまう
場所があります。
なかでも食道の入り口の脇には
小さなポケットのようになっていて
吸引チューブが当たりやすいです。
その場所を梨状窩といいます。
鼻や口から梨状窩までの距離は
身体の大きさによって
個人差があるので詳しくは
担当のスタッフにご確認ください。
では吐き気や嘔吐を予防するためには
どうすればいいのでしょうか?
まずは以下の点に注意していきましょう。
- 梨状窩の手前まで吸引する
- 注入中~注入後15分以内は吸引を控える
吸引チューブが梨状窩に当たると
「オエッ」となりやすいです。
なので、梨状窩の手前までの
吸引にとどめる方法があります。
長さを決めるときは医師や看護師に
確認しておきましょう。
しかし、長さが決まっても
目測では見誤ることがあります。
吸引機やベッド柵などに
目安になる長さのテープを貼ると
見誤ることが無くなります。
また、注入中や注入直後は
吐き気がでやすい状態です。
みなさんも舌を磨くとき
食後は特に「オエッ」と
なりすくはないでしょうか?
吸引するときも同じような
状況になります。
なので、注入中~注入後15分は
吸引をなるだけ控えることで
吐いてしまうことを予防できます。
かえって呼吸困難になってしまう
吸引チューブが気管に入ると
かえって呼吸困難などに
なってしまうことがあります。
と言うのも、気管の中に入った
異物を出そうとする反射が
働いてしまうからです。
この反射のおかげで
肺に食べ物が入ることを
防げているわけですね。
しかし、この反射が残っているものの
痰が出せず吸引をするときは
呼吸困難になるほど
せき込んでしまうのです。
けれどもリスク管理をしながら
行えば、痰などを取るための
良い方法といえます。
そうならないために、
以下の点に注意していきましょう。
- 頭がのけぞらないようにする
- 吸引チューブを入れる長さを決める
- 痰を出す他の方法を実施する
頭が後ろにのけぞっていると
吸引チューブは気管に入りやすく
なってしまいます。
なので、吸引するときは
姿勢にも注意していきましょう。
また、そもそも気管に
吸引チューブが届かないように
鼻や口から気管までの長さに
合わせて入れましょう。
長さに関しては一人ひとり身体が異なるので
医師や看護師の指示を仰ぐのがいいでしょう
その前に前述の痰が柔らかくなる方法や
痰を出しやすくする方法を試しましょう。
そうすることで、吸引を
する必要が無くなることもあります。
また、自力で痰を出し切ることが
難しくても痰がやわらかくなり、
上がってくることで
吸引しやすくなります。
このような工夫をして
吸引をする側もされる側も
負担が減らせると良いですね。
しかし、気管から直接
痰などを吸引する事が
良い場合もあります。
それは気管や喉に異物があるとき
咳をする反射が出にくい場合です。
このような時には
肺に痰や唾液、食べ物が
直接流れ込んでしまうことがあります。
また、咳が出にくいので
自力で出すことが難しいです。
そのような時には普段から
気管から吸引することが
有効な方法の一つになります。
そこでの注意点は
これらになります。
- 先の丸いチューブを使う
- 吸引圧が強くなりすぎないようにする
- より清潔にする
気管の粘膜は鼻や喉よりも
傷つきやすいので
さらに配慮が必要です。
なので、先の丸い吸引チューブを
使用するといいでしょう。
また、吸引圧を急にかけないように
することも必要になります。
気管は喉や鼻よりも肺に近いので
そこに菌が入ると肺炎の危険があります。
だから気管の吸引をするときは
いつもよりアルコール綿で
しっかりと消毒をする必要があります。
まとめ
以上が吸引を行うときの
目的や注意点になります。
吸引は医療的ケアなので
危険も伴います。
しかし、その危険は予測できます。
ここにあげている点に
注意していきましょう。
また、疑問などがあれば
担当の専門スタッフに
相談しましょう。
この記事はそのきっかけとして
参考にして下さい。
そして安全なケアで
家族みんなが快適な生活を
送れると嬉しいです。